南條工房 / 技術を残し、用途を変える

技術を残し、用途を変える

 

近年、ヨガや瞑想が見直されている。そんな時に欠かせないのが、場を一瞬で浄化する音だ。創業180年余の南條工房は、鳴物神仏具を専門に製造する老舗である。「佐波理(さはり)」と呼ばれる、銅に錫を配合した合金でおりんを製造。しかもスーッと通る澄んだ高音を出すために、錫の配合を極力多くした難度の高い鋳造を得意とする。
その一方で、おりんの音色を楽しんでもらうためのブランド「LinNe」を普段の暮らしに向けた商品として提案している。これまではベルのように振って音を鳴らす商品のみだったが、今年、スタンドにおりんを吊り下げ、付属の棒で叩いて音を鳴らす「LinNe Myo」を開発した。と同時に、従来にはないユニークな形状のおりん製作にも挑んだ。台座に置いて鳴らす仏具のおりんは、その置き方によって音の質が左右されるが、「おりんを吊るすとより理想的な音が鳴り、余韻が長く美しく響くため、音色をゆっくりと楽しめる」と7代目の鳴物鋳物師、南條和哉は話す。

 

 

南條工房

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