自然社 / こけだるま

 

伝統工芸と伝統工芸との出逢い

 

ポコポコと丸みを帯びた愛嬌たっぷりの形。雪だるまのような形をしたその名も「こけだるま」は、カジュアルに植物を楽しめるミニ盆栽である。盆栽と言うと敷居が高いイメージがともなうが、これならビギナーや若い世代でも手を出しやすい。苔玉を載せる丸い器は織部釉や藁灰釉、焼き締めなど、伝統的な焼物だが、現代の暮らしにも合いやすいナチュラルテーストだ。
開発した自然社は、元々、陶器の製造卸販売を営む窯元だった。しかし陶器を大量生産する時代が終わり、1989年に同窯はハーブなどの植物栽培に目を向け、事業形態を変えた。中でも苔玉に着目し、松や桜などを植えたミニ盆栽の生産に力を入れ始めた。幸いにして京都の山は湿度や日光量が十分にあり、苔の生育環境に適す。「同じ土を触る仕事のせいか、植物には自然と興味が湧いた」と言う同社の谷野大弘。つまり陶器と植物を両方扱える点が同窯の強みであるため、リーズナブルな価格でミニ盆栽が提供可能なのである。

 

 

自然社
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